第23回、映画を語る会より(2024年6月30日)

当日までの話

6月30日、久しぶりに映画の会を開いた。前回は3月31日だったので、ちょうど3か月ぶりになる。開催のきっかけは「サタンタンゴ」の感想を語り合う会が知り合いの主催で行われ、その帰り道に「映画の会をまた開いてほしい」と頼まれたことだ。予定を確認すると「大丈夫」と言われたので、安心して準備を進めたが、当日、その人は現れなかった。もしかすると何かよからぬ事件に巻き込まれたのかもしれない。その理由は誰にもわからず、薄い不安が胸に残った。

前日の6月29日、僕は仙台で友人の結婚パーティーに参加していた。招待状には「服装自由」と書かれていたが、30度を超える猛暑の中でスーツを着る気にはなれなかった。そこで、以前浅草で買った高級アロハシャツを思い出した。2万円もする着物から作られた特別なもので、柄も竹のボタンも素晴らしい逸品だ。それを着て仙台に向かうことにした。

仙台駅で友人と合流すると、彼はスーツを着ていた。僕のアロハシャツ姿を見て「それで大丈夫?」と心配そうに尋ねたが、服装自由の案内を信じることにした。内心ドキドキだったが、その場は「超高級アロハシャツだ」とアピールして乗り切った。

翌日の6月30日、映画の会が神保町で始まった。参加者は10人で、そのうち初参加が3人。特に印象的だったのは、一人の若者が資本主義を批判し、共産主義の復活を熱心に語っていたことだ。彼はマッチングアプリを利用していて、そのプロフィールには「資本主義嫌い」と書いているそうだ。驚いたことに、彼はアップルウォッチをつけていたが、それでも資本主義の問題点を指摘していた。そして、マッチングアプリでも資本主義が嫌いという人と出会えて面白いと言っていた。

映画の紹介が始まり、最初に取り上げられたのは2001年の黒沢清監督の「回路」だった。紹介者は映画フリークで、マジックザギャザリングも趣味にしているという。他にもアメリカンフィクションやペパーミントキャンディなど、様々な作品が取り上げられた。参加者たちは皆、目を輝かせ、身振り手振りを交えて熱心に語り合っていた。どの映画もその情熱に引き込まれ、観たくなるものばかりだった。

映画の会が終わると、次回の予定が話題になった。7月15日に読書会を開くことになり、場所も時間も未定だが、みんなの期待は高かった。読書会では僕の自家製カレーを振る舞うことを求められたが、それにはあまり乗り気ではなかった。カレーを作るのは好きだが、大人数に振る舞うのは手間がかかる。

映画の会の後、近所のゲオに寄って、紹介された映画を探したが見つからなかった。その途中、お腹の調子が悪くなり、しっかりと肛門を引き締めてなんとか持ちこたえたが、探していた映画は見つからなかった。そんなこんなで、映画の会も無事に終わり、次回の読書会に向けてまた新しい準備が始まる。

僕たちの日常はこうして、映画と読書と少しの冒険で満ちている。映画の会も読書会も、いつも新しい発見と出会いがあり、それはまるで見知らぬ扉を開けるようなワクワク感がある。それが何よりも楽しい。次回もまた、どんな魔法のような映画や物語が紹介されるのか、どんな魅力的な人々と出会うのか、まるで冒険の続きが待っているかのように、今から楽しみで仕方がない。

2024年6月30日に神保町で開催しました。参加者:10名

「回路」2001年 監督:黒沢清
「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」2021年 監督:香月秀之
「アメリカン・フィクション」2023年 監督:コード・ジェファーソン
「ペパーミント・キャンディー」2000年 監督:イ・チャンドン
「ヒート」1995年   監督:マイケル・マン
「蛇の道」1998年 監督:黒沢清
「コーダあいのうた」2021年 監督:シアン・ヘダー
「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」2022年 監督:竹林亮
「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」2016年監督:宮藤官九郎
「ノーマンズランド」2001年監督:ダニス・タノヴィッチ

当日の感想などはこちらで語ってます👇👇